Monday, April 25, 2016

企業にとっての適材適所とは何か?


企業には、お金を儲けるゴールがあります。それを達成するために、人が働きます。弊社の場合には、お客様向けのソフトウェアを作っています。

お客様のニーズがあり、あるプロジェクトが発生すると、そのプロジェクトの中で、弊社が果たさなければならない役割が規定されます(RACIと呼ばれるResponsible(責任者を持つ人/会社)、Accountable(説明責任を持つ人/会社)、Consulted(意見を求められる人/会社、有識者)、Informed(情報を共有しておく人/会社))。

その責任範囲の中での、自社がやるべきことを決めます。そのやるべきことを達成するには、どういう人間が必要なのかを考えて決めます。

プロジェクト・マネージャーが必要、ビジネス・アナリストが必要、ソフトウェア開発をする人が必要、テスターが必要、ステアリング・コミッティーが、全体の意思決定を行うのでメンバー選定が必要、プロジェクトのオーナー、ビジネス全体のスポンサー(どこの予算を使うのか?)が必要など、役割と責任に合わせてプロジェクト推進構造が決められます。

この明確な役割と責任の定義が、アメリカでは当たり前なのですが、日本は非常にあいまいです。日本では、プロジェクト・マネージャーが、ビジネス・アナリスト、ビジネス・コンサルティング、ソフトウェア開発、テストなどに一部を担うことがよくあり、専門性が薄れて、何でも屋になってしまう傾向が強いです。餅は餅屋と言う言葉があるにも関わらず、日本では、素人が餅を作ってしまっています。

さて、役割が規定されると、その役割を果たすために、だれを使うのがいいのかを考えます。それが適材適所ですが、日本の場合、終身雇用の基盤があり、社内から人材を求めざるを得ないし、社外からの人材調達は、協力会社にお願いすることくらいに留まります。プロジェクト・マネージャーが見つからない場合は、ソフトウェア開発者をプロマネにして、「君、頑張って、やってみてくれ。」と言います。果たして、その人は、プロマネをしたことがあるのでしょうか?プロマネの訓練を受けているのでしょうか?

アメリカでは、プロジェクト・マネージャーの、認定(certification)の仕組みがありますし、ビジネス・アナリストの認定の仕組みも生まれています。

プロジェクト・マネージャーは、プロジェクト・マネージメントの専門家であるのがベストです。専門家は、一番効率よく与えられた仕事をこなします。

アメリカの場合、もし社内に適格なプロジェクト・マネージャーがいないのであれば、社外から探します。不適格な人材を育てている暇は、普通は、ありません。人材派遣の会社、LinkedIn、知人からなど様々なソースから人材を探します。例えば、プロジェクト・マネージャーなら、一週間以内に候補は見つかります。面接によりプロジェクトに合った適格者を探します。6人くらいの候補に面接すると、おそらく2週間~1ヶ月半の間に見つかります。アメリカは解雇を頻繁にしますが、それとは裏腹に労働流動性があります。2週間前に退職届を出せば、確実に今の会社を辞めることができますし、もちろん職を探しているプロジェクト・マネージャーもたくさんいます。

アメリカに来た当初は、日本のやり方しか知らない私には、「人材は、人財」と思い、何故、アメリカは社内の人材を育てないのかと疑問に思っていました。しかし、アメリカ流のこのやり方は、ゴール達成に一番近道のやり方だと現在は思っています。(「人材は、人財」と言う考え方は、アメリカにもありますが、絶対、社内に残って欲しい人と、そうでない人を峻別します。)

残念ながら、日本では労働流動性がないので、同様のことはできません。退職時も、引継ぎなどと言われながら、3ヶ月も残留させられるケースも少なくないでしょう。3ヶ月も待ってくれる受け入れ側の会社は、アメリカにはありません。

餅は餅屋と言う言葉は、もう日本の十八番(おはこ)ではなく、アメリカの十八番となってしまいました。突き詰めれば、アメリカ流になってしまうのだと思います。

毎日、毎分、毎秒が、社員に対する動機づけでと勇気づけです。

マンデイ・モーニング・シンドローム(月曜日の朝の憂鬱)をなくす
マンデイ・モーニング・シンドロームという言葉がある。週末の疲れが月曜日の朝に残り、まだ、日ごろの仕事のペースに、イライラする状態を指します。
はずかしながら、私もその一人でした。
この状態を直すには、言うまでもなく、日ごろの仕事のペースにいかに早くリカバーするかです。仕事のペースと言うより、精神状態を以下にウィークデイの状態の持って行くかが胆になります。
この際、自分が朝方であるか夜型であるかは関係ありません。月曜日の朝に指示を出すのが、その一週間の仕事を効率を最大化するので、どうしても避けられない事柄となります。まず、自分の精神状態をリカバーするには、頑張って早起きすることが大事であり、打ち合わせの時間までに、考える時間(瞑想の時間?)を持つことが大事です。打ち合わせは、9時~5時の会社であれば、ちょっとだけ遅らせて、9:30開始と言うのが効率的です。遅刻しないように会社に来て、息をゼイゼイさせながら出席者を参加させるのは、得策ではありません。
私の会社では、朝一で各プロジェクトのステータスを確認する会をしています。
各ステータスの報告では、私の気持ち、出席者の気持ちは、批判的ではいけません。
何とかプロジェクト・マネージャーの困っていることを助けると言うマインドセットで、打ち合わせに臨まなければいけません。
意味のない非難は、非難された側の人間がいきなりブルーになり、その気持ちを持ち越してしまうと、一週間全体の効率が極度の下がります。
アメリカでは、特に大事ですが、プロジェクト・マネージャーが頑張っている部分は、きちんと褒めてあげなければなりません。毎日、毎分、毎秒が、動機づけでと勇気づけです。
会社経営は、人が動かないと何も起きないのですから、動いてくれる人たちを、思いっきり勇気づけなければなりません。
そんなことに、やっと気づいてきました。
自分のエネルギーを他の人間に分け与えることが、社長の仕事の一つです。

Monday, March 28, 2016

アメリカでの正社員とパートタイム

うちの会社ではコントラクター(派遣会社からの派遣社員:日本的に言うとパート)をたくさん雇っています。アメリカでは、コントラクターは、社員と同様に能力が高いです。日本の派遣社員とは、ずいぶん概念が違います。

コントラクターというのは、プロジェクトに基づいて、人の増員減員がある際に雇うと言うのが普通の考え方だと思いますが、事実上は、そのような明確な境目がないことも多いです。
コントラクターは、時給で働きます。

プロジェクト・マネージャー、ソフトウェア開発者、ハードウェアの専門家、ネットワークの専門家、ビジネス・アナリストなど、プロジェクトに密着している職種に多くなっています。
逆に、組織の中の部長などのポジションに、コントラクターを利用するのはあまりないように思われています。経営者は、2年契約と言うのはよくあるので、ある意味コントラクターです。

プロジェクト・マネージャーの場合には、いくつかの違う会社でプロジェクトが発生したたびに渡り歩きます。彼らの知識と経験は、固定の技術に縛られず、「プロジェクトを遂行する」と言うマネージメント業務は、どのプロジェクトにも通用します。

多くのプロジェクト・マネージャーは、ソフトウェア、ハードウェアなどの開発経験があり、特定の技術に強いテクニカル・プロジェクト・マネージャーもいます。
例えば、データ・ウェアハウスに強いテクニカル・プロジェクト・マネージャーは、データウェアハウスのプロジェクトを渡り歩います。

私の会社では、コントラクターを社員化することもよくあります。会社の中では、様々なプロジェクトが生まれて消えますが、プロジェクトの数が多ければ、プロジェクト・マネージャーを常に配備しなければなりません。開発案件が多く、常に開発が続くならば、ソフトウェア開発者を社内に確保し続けなければなりません。
ネットワークのように専門性の高い場合には、コントラクターとして働く人が多いかと思います。いわゆる、建築業界の季節労働者に近い動きをしています。

コントラクターの問題は、会社に対する忠誠心がないということです。言われたことをプロフェッショナルにこなすということにフォーカスします。それは、それでいいのですが、他のチームとの協業、お客様とのコミュニケーションなど、仕事の範囲が広がる場合には、社員化するのも考えるべきかと思います。
普通の考えると、自分の仕事の範囲を制限すると、自分のエネルギーを最大限に利用することも限定されてしまいます。人間の能力を最大限に発揮させるためには、生活の安定も考え併せ、コントラクターの地位よりも、社員の方がよいと考える人も多くいます。

福利厚生を考えると、不安定さを抱えるコントラクターの給料は、社員より高いのが通例です。
アメリカでは、ジャック・ウェルチ(元ゼネラル・エレクトリック社長)が1980年代に、生産性の順に並べて、一番下の10%の人間は解雇すべきだと言い始め、アメリカにはその発想が定着しています。(これらの下位の10%の方々は、たまたま、この会社では下位の生産性になっていますが、他の会社では、もっと実力を発揮できる場合も、少なくありません。)

解雇と雇用の繰り返しで、組織が活性化されます。
働く場所を変えて、新しい職場に着く人は、大体、頑張ります。労働環境も変わりますし、過去の生産性の低さもリセットされます。逆に、自分のやりたい事が、新しい環境で見つかることも多いわけです。

会社側は、会社のゴールを達成するために人を雇用します。会社の方向性に対して、きちんと動きが合う人間は、生産性が高くなります。そうでない場合は、個人の実力が一定方向に発揮されず、違う方向にエネルギーが使われてしまい、結局生産性が低くなってしまうこともあります。
不景気になると、アメリカの会社が大量解雇を行うニュースが、飛び交いますが、実は、すぐに、その時に必要な人材を雇用し始めていることも確かです。会社のリソースの新陳代謝というのは、アメリカの経営では、生命線となっているわけです。

Wednesday, March 9, 2016

アメリカで、人事担当者を雇いました.

人事担当者を雇いました.

私の会社(日本の会社の子会社)は、テキサス州にあるのですが、最初は、新規ビジネスを2人で始めました。2人とも日本人で、人事関連の仕事は、ジョージア州にある姉妹会社にお願いしていました。そのうち社員が増え、採用もあれば解雇も発生しました。採用は、自力で行う力もなく、ジョージア州の姉妹会社の紹介で、日系の人材派遣会社で、アメリカで事業をしている会社にお願いしていました。でも、彼らの守備範囲は、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロスアンゼルスなど、アメリカの大都市が中心です。当然です。大都市にしか日本企業からの需要がありませんので。

私たちの仕事は、テキサス州で、アメリカ人を採用するが必要なので、そのうちその人材派遣会社では、要求を満たせなくなります。

幸いにも、最初に採用したアメリカ人の友達の“つて”(アメリカでは、こういう友達のつてが大事です)で、地元の人材派遣会社を見つけました。その後は、その人材派遣会社だけとお付き合いをすることになりました。

このメリットは、この人材派遣会社が、実質、採用の第一段階のフィルタリングを行ってくれると言うところです。彼らのフィルターを潜り抜けた人が、私の会社の面接を受けます。だから、それなりに、質の高い人が、面接に来ます。もちろん、私たちの期待に沿う沿わないがありますから、合格不合格はあります。

その人材派遣会社との付き合いも長くなり、いつになったら人事担当者を入れるべきかを、数年前に聞いてみました。彼らからの回答は、おそらく30人くらいになったときがいいときではないかと言われました。

私の会社は、日本の会社の子会社なので、先に述べたように、ジョージア州の姉妹会社に頼っているところもあり、フルに人事の機能が必要なわけではありませんでした。しかし、アメリカの場合、州によって法律が違うので、ジョージア州での従業員に対して行わなければならない義務と、テキサス州のそれは、違います。どうしても、地場に詳しい人事担当者が必要となりました。

採用は、比較的問題なく進むのですが、解雇は、慎重に行わなければならない仕事です。下手をしたら、訴えられてしまいます。アメリカの法律にのっとって、アメリカ人の方法で、解雇もしなければなりません。

会社も成長し社員数が50人くらいになったので、社内のマネージメント層の人間のアドバイスにも従い、人事担当者を雇いました。当たり前と言えば、当たり前なのですが、私の仕事は、やりやすくなりました(私が行っていた仕事のいくつかは、彼女が処理してくれるわけです)。

人事担当者の彼女が、行ってくれるのは、

-      職場の健全化(人間間のいざこざの対応、表彰制度)

-      人事評価制度の見直し

-      採用と解雇のプロセスの整備

-      (テキサス州の)法律への準拠

-      ジョージア州の人事部門とのコミュニケーション

-      適切な教育の選択

などです。

それらの仕事は、私のような人事の素人とアメリカ人の部下でなんとかこなしていましたが、今思えば、危なっかしいプロセスでした。

解雇した人間から訴えられでもしたら、せっかく社員が頑張ってきたビジネスの利益が吹っ飛んでしまいます。

なので解雇は、ビジネスの一部です。解雇しなければ、パフォーマンスの悪い人にお金を払い続けなければならず利益を圧迫します。アメリカでは、GEのジャック・ウェルチ(1980年代以降)のやり方が基本です。ロー・パフォーマー(会社が期待する程度に、仕事ができあに人)は、解雇せざるを得ません。ただし、ある会社のロー・パフォーマーと言えども、他の会社で力を発揮する人も少なくはありません。アメリカの労働市場は、非常に労働制が高く、解雇が日常的の行われる反面、採用も行われるわけです。

アメリカで、PMO(プロジェクト・マネージメント・オフィス)を作りました。


PMO(プロジェクト・マネージメント・オフィス)を作りました。

私の会社は某日本企業の子会社で、アメリカでITのビジネスをしている。2010年にアメリカ人のスタッフを採用した。彼女は、組織をちゃんとするためには、PMOが必要だと言うのだが、私の日本企業での経験では、PMOは、何らかのプロジェクトの事務局でしかなく、何故、そんなものが必要なのか、まったく理解できなかった。

時がたつにつれ、組織も大きくなり、50人程度になった。プロジェクト・マネージャーも4人となった。アメリカのプロジェクト・マネージャーは、日本企業のプロジェクト・マネージャーとはずいぶん違う。

日本のプロジェクトマネージャーは、プロジェクトのすべてを理解して、すべての部位を健全化するために頑張る。プロジェクトの一員が、残業していたら、見守るために、プロジェクト・マネージャーも付き合い残業をする。ソフトウェア開発の設計で、開発者が困っていたら、深く内容を理解し、過去の自分のソフトウェア開発経験をもとに、専門家としての助言をする。会計簿記の勉強をし、お金のマネージも、プロジェクト・マネージャーが行う。つまり、なんでも間でも首を突っ込む。

かたや、アメリカのプロジェクト・マネージャーは、そのプロジェクトを、時間通りに、求められる品質を確保し、予算内で完成させることにフォーカスし、それがすべてである。

いくつかのプロジェクトが社内で、動き出して6年が経った。うまく行くプロジェクトもあれば、そうでないものもある。

アメリカでも、ほっておくと、プロジェクトのマネージの仕方は、プロジェクト・マネージャーに俗人化する。そろそろ、標準化しないとやばいなと思い。それぞれのプロジェクト・マネージャーに、「プロジェクト・マネージメントを標準化するためには、どうしたらいいんだ?」と聞くと、「PMBOKに従って、必要なところだけを取り入れればいいんだよ。」と答える。それは、ごもっとも。「じゃぁ、どういうドキュメントが必要なのか?」と聞くと、出てくるドキュメントは、Microsoft Excel で作ったスケジュール表と、ちょっとした課題管理表だけ。

リソース(人間)管理はどうするの?

お金の管理はどうするの?

お客様対応の効率は、どう把握するの?

リスクは、どう把握するの?

プロジェクトの要件変更は、どうするの?

プロジェクト・マネージャーに、標準化の話を聞き出したのは、4年以上も前からだが、だれも標準化できない。

ふと、気が付いた。

プロジェクト・マネージャーは、標準化された方法論に則って、実施をする人であり、方法論を作る人ではない。

学校だったら、校則を作る人(だいたい学校の先生)がいて、校則を守るのが生徒。プロジェクト・マネージャーは、生徒なわけです。

だから、PMOを作るには、PMOを作れる人間を雇わなければならない。ということがわかった。

PMOの本質は、プロジェクト・マネージメントを標準化させ、その標準を徹底させる。もちろん、それによってプロジェクト・マネージャーの俗人的な方法を適正化し、プロジェクトを失敗させないようにすること。が、すべてである。

私の組織は、50人程度で、1億~5億円のプロジェクトが複数走っている。PMOは、どうあっても必要な機能になった。ないと、無駄が多く、プロジェクトの成功するパーセンテージが格段に下がることは、火を見るよりも明らかだ。